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https://w.atwiki.jp/magics_vrpg/pages/37.html
能力ランキング 用心棒の強さランキング。用心棒選びの参考程度にでも。 もちろん、シードロップのAGLなど用心棒が使用しない能力は考慮する必要はない。 STRランキング 順位 用心棒 1 ハー妹 2 ダークブライアン 3 ブライアン 4 アルシェス 5 エンリュウ、レベッカ、ベルグローラ 8 キラーサーベル、ジャミル 10 バジル、セオドア 12 ラヴィアン 13 クレス、ぶりけつこ 15 ミネアン、ボルサンダー 17 ヒョロボウ 18 クレアス 19 ディナックス、ザンエール 21 ドロシー、ブームくん、マーグ、ミーア 25 シードロップ、ミリィ、デュリル 28 ファルコン STRは通常攻撃にも影響するため全用心棒共通で考慮を考えるべき要素であろう。 INTランキング 1 キラーサーベル 2 ハー妹 3 セオドア 4 アルシェス 5 シードロップ、ベルグローラ 7 ブームくん 8 ダークブライアン 9 マーグ、ジャミル 11 バジル、ドロシー、ボルサンダー 14 レベッカ、ディナックス 16 クレアス 17 ヒョロボウ 18 ミネアン、クレス、ぶりけつこ 21 エンリュウ 22 ザンエール 23 ブライアン 24 ミリィ、ラヴィアン 26 デュリル 27 ファルコン 28 ミーア INTは魔法技の威力に影響する。魔法技を使わないキャラには不要な能力。逆に魔法技に頼る用心棒の場合は重要となる。 余談であるがキラーサーベルは特性の切れ者補正がない場合はシードロップと同じ位置に入る。 AGLランキング 1 ミーア 2 ミリィ 3 ベルグローラ 4 アルシェス 5 ラヴィアン 6 ドロシー 7 ミネアン、ディナックス、ジャミル 10 クレアス、ヒョロボウ 12 マーグ 13 ダークブライアン 14 シードロップ、クレス、ぶりけつこ、ブームくん、セオドア 19 ボルサンダー 20 エンリュウ、ザンエール 22 ファルコン 23 ブライアン 24 バジル 25 レベッカ、デュリル 27 ハー妹 28 キラーサーベル AGLは速度技の威力に影響する。速度技を持っている用心棒は限られている為、重要性はやや低い。 回復基準ランキング 回復基準 1 ファルコン 85% 2 ミリィ、デュリル 70% 4 マーグ、ジャミル 60% 6 クレアス 49% 7 ドロシー、ベルグローラ 45% 9 バジル、ブームくん 40% 11 エンリュウ 35% 12 セオドア 32% 13 ミネアン、ラヴィアン、ザンエール、アルシェス(、ボルサンダー) 30% 17 ダークブライアン 29% 18 ぶりけつこ 25% 19 クレス 20% 20 レベッカ、ラヴィアン、ディナックス 15% 23 ヒョロボウ 13% 24 シードロップ、ミーア 10% 26 (ボルサンダー) 8% 論外 醤油(MSPの30%ダメージ)使用 ハー妹 30% アイテムを使わない ブライアン、キラーサーベル --- こちらは回復基準。値が大きいほど早いタイミングでミルクや薬草を使い回復する。 ボルサンダーの項目が2つあるが、魔法の特性がピンチ時に発動するタイプ(魔迅、猛火、激流、極光、深緑)の場合が8%で、それ以外なら30%のタイミングでアイテムを使う。 純粋に高いほうを選ぶのではなく戦闘スタイルに応じて選んだほうがよいだろう。 ちなみにミルクの回復量の関係でミリィとデュリルがギリギリ、ファルコンの回復基準は過剰回復レベルなので注意。 なお、エリクサーは所持していて回復基準の半分以下のときに使用し、 クレアスの場合は回復にキュアーを使う。
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各チーム平均能力ランキングと能力7以上の選手の内訳 打撃能力、守備能力は野手対象(投手南方は野手に含む)。 守備能力は最も適性の高いポジション(鮫の生え抜きで内野、外野ともに守れる選手は内野には含まない)で計算。 長打、ヒッティング、巧打、足力、肩力は野手全員の平均。 投手能力は投手対象。スタミナは、投げれる球数/4で換算(雑賀が10になるように設定。スタミナを明確に知ってもらうために)。 右投手カーブ=左投手シュート、右投手シュート=左投手カーブとして計算。平均は小数第3位を四捨五入。 データ表の右4つの数字は、濃い赤から黄色にかけて左から順に能力値10.9.8.7の人数を表す。 打撃能力 守備能力 投手能力 コメント欄 打撃能力 長打 1 E 7.47 2 2 3 3 2 D 7.13 1 1 4 5 3 C 6.73 0 1 3 5 4 F 6.60 0 1 2 5 5 S 6.50 2 0 1 4 6 T 6.27 0 0 2 5 7 M 6.20 0 1 1 4 8 L 6.13 1 1 3 2 ヒッティング 1 M 7.20 2 0 3 5 2 F 6.80 0 1 3 6 3 T 6.60 0 1 1 5 3 C 6.60 0 2 2 3 5 D 6.47 0 1 3 5 6 E 6.40 2 1 2 3 6 L 6.40 2 0 3 4 8 S 5.80 1 0 2 3 巧打 1 C 7.00 0 3 3 5 2 M 6.93 1 1 2 6 3 T 6.33 0 2 2 3 4 S 6.13 0 2 2 2 5 E 5.93 0 1 2 4 6 F 5.73 0 0 2 1 7 L 5.60 2 1 1 3 8 D 5.53 0 0 3 2 足力 1 M 7.27 2 2 2 3 2 D 6.47 1 0 4 4 3 C 6.33 1 1 1 4 4 F 6.27 0 1 2 4 5 S 5.81 1 1 1 3 6 E 5.73 0 1 3 2 7 L 5.67 2 2 2 2 7 T 5.67 0 1 2 4 守備能力 肩力 1 T 7.60 2 3 2 5 2 C 6.93 1 2 4 4 3 F 6.87 1 1 4 4 4 M 6.67 0 1 0 9 5 D 6.60 0 0 6 4 6 S 6.56 1 1 2 2 7 E 6.00 0 0 0 8 8 L 5.73 0 1 2 5 内野適性 1 T 8.38 2 1 3 2 2 M 7.29 1 0 1 3 3 F 7.13 0 1 2 3 3 C 7.13 0 0 4 4 5 L 6.89 0 1 3 2 6 S 6.78 0 1 2 1 7 D 6.67 0 0 1 7 8 E 6.60 0 0 1 3 外野適性 1 T 8.20 1 1 3 2 2 C 7.33 0 1 2 2 3 D 7.14 1 0 0 6 4 F 7.00 0 0 2 2 5 L 6.88 0 1 1 3 6 M 6.83 0 0 2 3 7 E 6.57 0 0 2 1 8 S 6.43 0 0 2 1 捕手適性 1 F 9.50 1 1 0 0 2 M 8.00 0 0 2 0 2 T 8.00 1 0 0 0 4 C 7.33 0 1 0 1 5 D 7.00 0 0 0 3 6 E 6.50 0 0 0 1 6 S 6.50 0 0 0 1 8 L 6.33 0 0 0 3 投手能力 速球 1 F 8.20 1 2 0 1 2 D 8.00 1 1 1 1 3 L 7.80 2 0 0 2 4 C 7.40 0 2 0 2 5 E 7.20 0 1 1 2 5 M 7.20 0 0 2 2 5 T 7.20 0 1 1 1 8 S 6.80 0 1 0 2 コントロール 1 F 7.60 1 0 1 2 1 C 7.60 1 1 0 2 2 M 7.20 0 1 2 0 2 D 7.20 1 0 0 2 2 T 7.20 0 1 0 3 6 L 7.00 1 0 1 2 7 S 6.80 1 0 0 1 8 E 6.60 0 0 1 1 スタミナ 1 F 6.35 0 1 1 1 2 T 5.70 0 0 0 3 3 E 5.60 0 0 0 3 4 M 5.10 0 0 0 2 5 D 4.10 0 0 0 0 5 S 4.10 0 0 0 3 7 C 3.90 0 0 0 1 8 L 3.00 0 0 0 0 右投手カーブ・左投手シュート 1 L 7.20 1 2 0 1 2 E 7.00 0 0 2 1 2 F 7.00 0 0 2 2 2 T 7.00 0 1 0 2 5 S 6.60 1 0 0 2 6 C 6.40 0 2 0 1 7 M 5.60 0 0 1 0 8 D 5.20 0 0 2 0 フォーク 1 F 7.40 1 1 1 1 2 L 6.80 1 1 0 1 3 E 6.60 0 0 2 2 3 D 6.60 1 0 1 1 5 T 6.40 0 0 0 2 6 S 5.80 0 1 0 1 7 M 5.60 0 1 1 0 8 C 5.00 1 0 0 1 右投手シュート・左投手カーブ 1 D 7.60 0 1 2 1 2 F 6.40 1 1 1 0 3 M 6.20 1 0 1 0 4 E 5.60 0 0 2 1 4 L 5.60 1 1 0 1 6 S 4.60 0 1 0 0 7 C 3.80 0 1 0 1 8 T 3.20 0 0 0 1 コメント欄 これより前のコメントはコメント/チーム強さ比較 早くクロウズ入らんかな - index 2011-10-09 11 17 28 隼がw - 名無しさん 2011-10-13 16 04 35 これ新wikiからコピーしたんだよね? 投手能力は公開前(9月28日)の奴だから間違ってるよ。打撃能力、肩力はあってるけど - MOMENT 2011-10-13 16 47 15 丸コピーはいかんなあ。それにそもそもあまり活用されてなさそうなページだったし、メニューからはずしますか。これで万事解決でしょ。 - 名無しさん 2011-10-14 13 33 01 あ - 名無しさん 2014-01-27 07 06 50 ここは結構良いページだね - 名無しさん 2014-01-27 19 33 58 長い間眠っていたらしい - 名無しさん 2014-01-27 19 42 20 いま↑↑↑↑の人たちってWikiに居るのかな? - 名無しさん 2014-01-27 20 17 04 いるでしょ。パクリならこのページは削除しなければならないな - 名無しさん 2014-01-27 20 44 01 パクリだろ - 名無しさん 2014-07-04 01 20 14 名前
https://w.atwiki.jp/futurowa/pages/16.html
首元に静かに手をやり、そこに硬く、冷たい感覚があるのを確かめる。 次に指を首と、そこに巻き付けられた金属製のリングの隙間にそっと差し込んでみる。 ……指先をねじ込むくらいは可能だが、逆に言えばそこまでだ。 これを反応させずに外すのは、専門的な技術と器具がなければまず不可能だろう。 美しい銀髪を夜風に靡かせて一人嘆息する、純白のケープを思わせる程きめ細やかな肌を持った美少女。 だが、解る者が見ればまた別の感想を抱くだろう。どちらにせよ、見る者を驚愕させるのは変わらない。 彼女は一介の少女としておくにはあまりにも可憐で、――それ以上に強かった。 小難しい理屈の介入してくる余地なく、ただ純粋に強かった。 (……首輪の解除は現状不可能。参加者の人数は五十人と二人。会場の四方は海だし、脱出を図ったとして、あの男がみすみすそれを見逃すとは思えない) 努めて沈着に、少女は自分が置かれている現状を分析する。 冷たさすら感じさせる鉄面皮とは裏腹に、しかし彼女の体は、小さく震え出していた。 少女の名前はリンネ・ベルリネッタ。 DSAA・U15ワールドランク一位の座を恣にする、連戦連勝の天才格闘家である。 その強靭な肉体と有り余る才能で幾多の敵手を打ちのめしてきた彼女は、しかし無感動な戦闘狂では決してなかった。 (……フーちゃん……) その証拠に幼さを多分に残した顔立ちには不安の色が浮かび、噛み締められた歯は時折カタカタと音を鳴らしている。 怖い。 死という生物共通の"破滅"が隣人として付き纏っている現状で平静を保っていられるほど、リンネは超人ではない。 いや、そもそも――元々、彼女は超人でも傑物でもないのだ。 それどころか、誰よりも弱い心の持ち主なのだった。 (私、どうしたら……) 名簿に名前のあった、決別した筈の幼馴染の顔が脳裏に浮かぶ。 それを必死に振り払おうとしながら、リンネは無人の一室の隅で膝を抱え、顔を伏せた。 そんな自分の姿を客観的に見たリンネの頭に、濁流のように流れ込んでくる記憶がある。 まだ弱く、幼く、情けない"リンネ・ベルリネッタ"だった頃の記憶。 虐げられるがままでやり返すこともせず、弱者の立場に甘んじ続けていた自分。 自分が弱かったというそれだけの理由で、大事な人の最期の瞬間に立ち会えなかった忌まわしい記憶。 今のリンネを形作るに至った、始まりの記憶が蘇ってくる。 (……違う) もう、あの頃のリンネはどこにもいない。 弱いせいで何かを失う、そんな情けない自分は捨て去ったのだ。 顔を上げ、唇を噛み締めて歯の鳴る音を封殺し、拳を強く握り締めて強引にリング上の自分を呼び起こす。 ワールドランク一位の、"リンネ・ベルリネッタ"を。苦い記憶と決別した強いリンネこそが、今の自分なのだから。 (ジルコーチは居ない。居るのはヴィヴィオ選手、アインハルト選手、ミウラ選手、……そして、フーちゃん) 何故ナカジマジムの選手ばかりがこんなに参加させられているのかは分からない。 ただ、参加者の中で面識があるのは彼女達だけだ。 自分に殺し合いをする気がない以上、彼女達とはいずれ合流する必要があるだろう。リンネはそう考えていた。 ……ただし"フーちゃん"ことフーカ・レヴェントンとだけは、あまり顔を合わせたくないのだったが。 リンネはどちらかと言えば無情な戦いをするファイターだ。 しかしそれは、あくまでもリング上のみの話。 生きねばならないからと言って、無情に他人を殺せるほど人間味を捨ててはいない。 故に目指すのは首輪を解除しての脱出、ないしは主催打倒。 その為にもまず、前提条件である首輪の解除をどうにかして済ませてしまう必要がある。 今挙げた知り合いの中に、そんな高度な技術を持っていそうな人間は一人も居ない。 最悪、会場に一人も解除の技術を持った人物が居ないことすら考えられる。 尤も、それは最悪の未来だ。 そうなってしまえば、いよいよ打つ手はなくなってしまう。 (……とにかく。まずは誰か、他の参加者と合流する必要が――) そこまでリンネが考えた、まさにその時の出来事だった。 リンネが居るのは市街地エリアの一角、やや大きめの民家の一室である。 進んで此処に入ったわけではなく、目を覚ました時からこの部屋に居た。 元の住人が存在するのかどうかも分からない家の中に、扉の開く音が響き渡ったのだ。 「……ッ!」 思わずリンネは、扉の方を向く。 耳を澄ませば彼女の鋭敏な聴力は、家の中を歩き回る足音を聞き取った。 やや暫く逡巡した後、リンネは努めて静かにその場から立ち上がり――扉を開いて、廊下に顔を出す。 誰も居ないことを確認すると細心の注意を払いながら、家の中へ踏み入ってきた何者かを発見すべく、足を進めた。 もしも殺し合いに乗っていない人物ならば、それでいい。 だがもしも殺し合いに乗っていたのなら、無力化する。 リング外での暴力は決して褒められたことではないが、状況が状況だ。 悪戯に邪な考えを持つ人物が暴れ回ることを阻止する為にも、危険因子は潰しておく必要がある。 覚悟を決めたリンネと足音の主が遭遇するのに、然程の時間は要さなかった。 廊下の向こうから歩いてくるその人物を、リンネもその向こうから視認することが出来た。 「……」 リンネは、思わず自分の目を擦った。 何しろ状況が状況だ。緊張の余り私の目はおかしくなってしまったみたいだと、本気でそう思った。 「……は?」 しかし、此方に手を振りながら駆け寄ってくる"それ"の姿は変わらない。 "それ"は二本の足で歩き、人間のように二本の腕を持っていた。 だが腕の先端、人間でいう手首にあたる部分は白いゴムまりだ。 顔も鼻の部分には赤いトマトのような球状の物体が付いていて、動物のようなひげが左右対称に六本生えている。 おまけに肌の色は青い。そもそもあれを肌と呼んでいいのかすら微妙なものがあった。 頭と胴の継ぎ目の部分には、リンネの付けているものと同じ首輪が填められている辺り……参加者ではあるのだろうが。 「よかった、こんなに早く他の参加者に会えるなんて」 呆気に取られるリンネの目の前まで駆けてきた"それ"は、聞いているとどこか安心する優しい声でそう言った。 殺し合いに乗っていないのだろうかだとか、そういう諸々を考える前に、少女の口から言葉が漏れた。 「……青い、タヌキ?」 「……」 すると。目の前の仮称・青ダヌキの顔が見る見る真っ赤になっていった。 「――ぼ、ぼくはタヌキじゃな~~~~~~~~~~~いっ!!!!」 言うまでもなく、それは二十二世紀の子守用猫型ロボット……ドラえもんにとって、禁句の一言だった。 ◇◇◇ 「はあ、猫型ロボット……」 最早親の顔より見たと言ってもいいテンプレートなやり取りを終えて、リンネとドラえもんは情報交換を始めていた。 リンネの住まうミッドチルダでも、こうやって自我を持った上で自立駆動するロボットくらい軽く開発できるだろう。 だからロボットという話には然程驚かなかったが、流石に猫を模したロボットだということには気付けなかった。 "猫にしては耳が……"と小さくリンネが呟くと、彼は遠い目をして"色々ありまして……"と話を濁した。 子守用ロボットにも、触れられたくない過去の一つ二つはあるらしい。 「ま、まあそれはともかく。リンネちゃんは、この人達を探したいってことでいいんだよね?」 露骨に話を反らして、ドラえもんが名簿のヴィヴィオ、アインハルト、ミウラの部分をゴムまりの手でなぞった。 「この人達、リンネちゃんの友達?」 「友達……というわけではありません。しかし、頼りになるのは確かです」 にべもなく、リンネは答えた。 嘘は言っていない。高町ヴィヴィオを始めとした三人は確かに見知った相手だが、友達と呼べる間柄では絶対にない。 超えるべき障害物と、いつか辿り着く高み。 リンネと彼女達の関係は、それ以上でも以下でもない。 「そ、そっか……ぼくの方はこの三人かな。 野比のび太くん、ジャイアンこと剛田武、骨川スネ夫、しずかちゃんはいなくて――」 少しやりにくそうな様子を滲ませながら、自分の友人の紹介に入るドラえもん。 のび太、ジャイアン、スネ夫と名簿を読み上げていったところで、名簿をなぞる手が突然止まった。 「どうかしましたか?」 「そんな、バカな……ありえない……!」 まるで幽霊でも見たような顔で、ドラえもんは"骨川スネ夫"の右隣に記された名前を凝視する。 ありえない、そこにあってはならない名前だった。 過去に恐るべき野望を企て、今は牢獄の奥底で厳重に囚われている筈の"時空犯罪者"。 「ギガゾンビ……!!」 まるで小学生が適当に考えたみたいな名前だと、リンネは思った。 しかしドラえもんの浮かべる戦慄の表情が、件の人物が只ならぬ危険人物であると理解させる。 「その方は……危険な方なんですね」 無言で、ドラえもんは頷く。 愛嬌のある見た目にはとても不似合いな、重々しい動作だった。 「詳しく話せば長くなるけど、過去の世界を拠点にして自分の支配体制を敷こうとした大犯罪者だよ。 ツチダマというロボット達を部下に持ち、ギガゾンビ自身も二十三世紀の科学技術を使いこなす強敵だった……」 二十三世紀。ドラえもんが製造された時代が二十二世紀であることは、リンネも既に聞いていた。 となるとギガゾンビの持つ技術はざっと見積もって、その百年後の技術。 人間と何ら変わらないロボットを製造できるくらいに発達した技術が、そこから更に百年進むというのである。 確かに、そう考えると恐ろしい。 優先して無力化するべき参加者であることは疑うまでもないだろう。 「……相手が誰であろうと、やることは変わりません」 リンネは静かに、己の拳を握り締める。 天賦の才能と弛まぬ努力で身に着けた、少女らしからぬ鋼の肉体。 リンネ・ベルリネッタという無力な子供が、確かな強さを手にしたことの証左だ。 「敵なら、倒す。そして、越える。それだけです」 ドラえもんは、驚いたような顔で息を呑んだ。 リンネの年齢を実際に聞いたわけではないが、精々まだ中学生くらいの齢だろう。 まだまだ子供と言っていい、人生経験も浅い筈の彼女。 しかし今のリンネの言葉には、物凄い気迫があった。 この会場にいるまだ見ぬ敵を、全員倒してやる。 そんな強い意志を、ドラえもんは確かに感じ取った。 「……きみは……」 けれどドラえもんは、彼女を怖いとは思わなかった。 強さに溢れる彼女のことを、頼もしいとも思わなかった。 腐っても子守用ロボットの端くれだからなのか、彼はリンネの瞳の奥にある、弱々しいものの存在に気付いたのだ。 「きみは、怖いのかい?」 「ッ」 目の前のロボットから掛けられた予想外の言葉に、リンネはあからさまな動揺を見せる。 だが、それも一瞬。すぐにリンネの顔はいつもの鉄面皮に戻り、愛想っ気のない言葉が口から出た。 「そんな事はありません。私は、恐れてなんかいない」 本当に、とドラえもんは言わなかった。 そう言ったならきっと彼女を怒らせてしまうと悟ったからだ。 リンネが強い子だということは、ドラえもんにも分かる。 強くなければ、あんな気迫は出せない。あんな言葉は出て来ない。 けれど――きっとそれは、本当のリンネではない。ドラえもんはそう思った。 “怖いなんて感情は、弱さだ。私はついさっき、それと直面した上で打ち勝った。 恐れてなんかない……たとえどんな状況だろうと、私のすべきこと、目指すものは変わらない” "強さ"に囚われた少女と、"弱さ"の隣にずっとあり続けたロボット。 絶対に有り得なかった筈の邂逅をもって、彼女と彼のバトル・ロワイアルは始まった。 【一日目 深夜】 【G-2 市街地(民家内)】 【リンネ・ベルリネッタ@Vivid Strike!】 [状態]健康 [装備]スクーデリア@Vivid Strike! [支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1~2 [思考・行動] 基本:生き残る。殺し合いをするつもりはない。 0.私は恐れてなんか、ない 1.殺し合いに乗った参加者は倒す。 2.とりあえずドラえもんさんと行動。場合によっては知り合いとの合流も視野。 3.フーちゃんには……会いたくない。 [備考] ※ウィンターカップ開幕直前からの参戦です。 ※ドラえもんの知り合い(野比のび太、剛田武、骨川スネ夫、ギガゾンビ)のことを知りました。 【ドラえもん@ドラえもん】 [状態]健康 [装備]四次元ポケット@ドラえもん [支給品]基本支給品一式、ランダム支給品1~3 [思考・行動] 基本:殺し合いを止めて、みんなで元の世界に帰る。 0.リンネちゃんと行動。少し心配。 1.のび太くん達、ヴィヴィオちゃん達との合流を目指す。 2.ギガゾンビに警戒。 [備考] ※参戦時期の概念はないようなものですが、少なくとも『映画ドラえもん のび太の新日本誕生』を経験しています。 ※デイパックの代わりに四次元ポケット(支給品を除いて中身は空)が与えられています。 ※リンネの知り合い(高町ヴィヴィオ、アインハルト・ストラトス、ミウラ・リナルディ)のことを知りました。 フーカについては意図的にリンネが言及していないため、知りません。
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■雀龍門スレの成績の考え方■ 【レート】1700以上が強いとは限らない。1700未満は雑魚、雑魚狩り専門、保存民 【リーグ】上位リーグが強いとは限らない。帯なし玄人は雑魚 【段位】九段↑が強いとは限らない。七段未満は雑魚 【対戦数】500戦未満は論外。1000戦から評価対象(500戦はおまけ程度) ※成績を自慢するような発言はSSが必須。SSが出ない場合スルー推奨 SSの貼り方 10 ■500戦、1000戦消化時の参考ランク■ 【Sランク】 1000戦平順2.2前半 【Aランク】 1000戦平順2.2後半 500戦平順2.1後半 【Bランク】 1000戦平順2.3前半 500戦平順2.2前半 【Cランク】 1000戦平順2.3後半 500戦平順2.2後半 【Dランク】 1000戦2.4未満 500戦平順2.3前半 【Eランク】 500戦2.35未満 【Fランク】 対戦数500戦未満
https://w.atwiki.jp/janryuumon/pages/16.html
■雀龍門スレの成績の考え方■ 【レート】1500以上が強いとは限らない。1500未満は雑魚 【段位】まったく無意味。初段ゾンビ抜ければマシ程度 【連対】少なくても500戦消化が必要。1000戦消化で連対60ならマシ程度 【平順】少なくても500戦消化が必要。1000戦消化で平順2.2台ならマシ程度 ※成績を自慢するような発言はSSが必須。SSが出ない場合スルー推進 ■雀龍門と天鳳のレベル比較決定版■ 雀龍門=上卓レベル 雀龍門九段=天鳳四段レベル 雀龍門九段連対60%=天鳳六段レベル 雀龍門には天鳳七段以上レベルはほぼいない
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東京リベンジャーズ強さランキング S+ マイキー、イザナ S ドラケン、鶴蝶 S- 半間、大寿、覚醒アングリー A+ 場地、ムーチョ、ペーやん A モッチー、三ツ谷 A- 長内、蘭、竜胆、真一郎(仮) B+ 三途、一虎 B 千冬、丁次、チョメ、チョンボ、スマイリー B- ガリ男、阪泉、パーちん、八戒、アングリー、イヌピー、ココ C+ 柚葉、獅音、濱田、タケミっち C 稀咲、脇の暴走族の総長、アッくん、マコト C- タクヤ、山岸、東京卍會の下っ端 D+ 脇の暴走族の下っ端 D そこらの不良
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528 :名無しさん(ザコ):2012/05/29(火) 00 39 41 ID xJL./0ug0 アンドロメダ瞬(聖闘士星矢) 武器を使わない聖闘士として防具付属の鎖を振り回す女顔。またの名を兄さん召喚士。 スペシャルパワーはみがわりてかげんとらしいものから始まり、後半で攻撃的なものが備わる。 レギュラー陣の中で唯一気合が無いため、気力上げは比較的手間がかかるがレベル30で覚える激励を自分に使用可能。 ユニットの方だが、いわゆる前期型となる無印や生身はP武装を持たず、反先武装やバリアシールドを有する待ちの戦法。 また初期から射程5のサンダーウェーブで相手の射程外から攻撃することも可能。 最強武装のネビュラストームは射程2で中途半端な使い勝手となるが、ここで狙撃が生きてくる。 (新生聖衣)からは2Pのブーメランショットや縛のグレートキャプチュアーが追加、利便性が高まる。 ユニット性能的にはバリアシールドと装甲頼りでHPが低く移動3の砲台。 目立った欠点はメイン武装が実なので迎撃切り払いの対象なことと、イベント形態とは言え生身と乙女座ではアイテムのチェーンを付けないとまともに戦えないこと。 ところで彼は氷河や紫龍と違って修行地に思い入れが無いらしく戻る気配がない。姉弟子が泣いてるぞ。
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「ミィ……ミィ……」 とある草むら。 1匹のタブンネがトレーナーの足にすがりついて弱々しい鳴き声を上げている。 タブンネの全身は傷だらけで、自分で立ち上がるだけの力さえも残されていなかった。 タブンネをそんな状態にしたのは、トレーナーとそのパートナーであるポケモン。 草むらから飛び出してきた野生のポケモンを倒した。ただそれだけのこと。 出てきたポケモンがタブンネだっただけで、一般的なトレーナーであれば普通の行動だ。 しかし、それはタブンネにとっては衝撃的なことだった。 一方的に叩きのめされた。草むらで生活しているときにはありえなかったこと。 その強さにタブンネは憧れた。 自分をボロボロにした相手。そんな相手についていけば、自分も同じくらい強くなれるのではないか。 強くなって群れを率いれば、縄張り争いや餌場の競争に有利になり、タブンネたちの生活が豊かになるのではないか。 自分のため。タブンネたちのため。 そのために強くなりたいと、タブンネはトレーナーの足に必死にすがりつく。 強くなりたいです。いっしょに連れて行ってください、と。 「俺のポケモンになりたいのか?」 そんな想いを読み取ったのか、トレーナーがタブンネに訊いてくる。 タブンネはコクコクとうなずく。「ミィミィ」と声を絞り出しながら残った力すべてでトレーナーの足をギュッとつかむ。 「よし、いいだろう。それじゃあ名前をつけてやらないとな。そうだな……お前の名前は今日から『くずにく』だ。 わかったか『くずにく』? わかったら返事しろ『くずにく』」 くずにく。 その言葉の持つ意味はタブンネにはわからない。 ただ、それが自分に与えられた名前であり、目の前のトレーナーたちの仲間になる証だということは理解できた。 自分の願いがかなったことにタブンネは笑顔を浮かべ「ミィ……♪」と返事をする。 タブンネの返事を聞くと、トレーナーはニヤニヤと笑いながらバッグからモンスターボールを取り出す。 そしてモンスターボールをタブンネにあてると、タブンネの体がモンスターボールの中に入っていく。 これでタブンネはトレーナーのポケモンになることができた。……いや、トレーナーのポケモンになってしまった。 この瞬間に、タブンネが幸福になれないことが決まってしまった。 「ここんとこ負け続きでイライラしててさぁ、ストレス解消できるおもちゃが欲しかったんだよねぇ。 これからよろしく『くずにく』ちゃん」 すとれす。おもちゃ。 その言葉の意味もタブンネにはわからない。 わからない言葉の意味を考えることはせずに、タブンネはゆっくりと目を閉じる。 モンスターボールの中でしっかりと休んで、ボロボロの体を回復させるために。 やがて、訪れた眠気によってタブンネの意識は深く沈んでいく。 ぼんやりとしていく頭の中でタブンネは思う。 強くなりたいな。 (おわり)
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ここまで心底驚いたような顔しなくても、いいと思うの。 『悩んでることがあるのなら、私に話して』 これって、そんなに珍しい言葉じゃないわよね。ククールがどれだけ私のことを子供だと思ってるか、改めて思い知らされるわ。 でも引き下がらないわよ。仲間が何かに悩んでるって気づいたのに、知らないフリなんて絶対にしないんだから。 本当に自分が恥ずかしいわ。 暗黒神に操られてからずっと、私一人が辛いような顔をしてた。 ククールは私にずっと優しくしてくれてた。 泣き言も全部聞いてくれて、体調も気遣ってくれて、いろんなことから庇ってくれた。 今日だって先回りして、ラジュさんたちにチェルスの死の理由を説明してくれた。私がそのことで辛い思いをしないようにって。 私のこと、ずっと守ってくれてた。 そして私はそのことに甘え続けてきた。 だから気づかなかったのよ、私がこの頃感じていた不安の理由。 ククールがどこかに消えて、いなくなってしまうんじゃないかって怖かった。 だけどそれは自分の心が弱いからだと思い込んでた。ククールに頼りすぎてるから、彼がいなくなってしまうことを恐れてるだけだって。だからチェルスのことからも逃げずに、しっかりしようと思った。 自分のことしか考えてなかったんだわ。 今だって、ククールを心配して探しに来たんじゃない。目を覚ましたらククールの姿が見えなくて、おまけにアークデーモンに見張られてるみたいで私が心細くなったから、こうして起き出してきちゃったのよ。 そしてここでククールの姿を見つけて、その様子を見ていてやっと気づけた。彼が何かに悩んでイライラしてるってことに。 だから私までつられて不安になってたんだって。 ククールが私をあてにしてくれない事を不満に思うのは間違ってた。 子供扱いされて当たり前よ。悩みなんて打ち明けられるわけないじゃない。こんな自分のことで精一杯の私なんかに。 ククールは考え込んじゃって、何も言ってくれない。 いつだってポーカーフェイスで、自分で見せてもいいと思ってる部分しか見せてくれない人だから。 文句が多いようで、本当に辛いことは口に出してくれない。自分の中で処理してしまおうとする。 そりゃあ私は頼りにならないかもしれないけど、信じてもらえてないのかと思うと、寂しくて悲しくなる。 「・・・自分でも、どう解釈すればいいかわかってねえし、かなり回りくどい話し方になると思うけど・・・短気おこさずに聞いてくれるか?」 ククールのその口調から、何だか大変そうな話だってことは伝わる。だけど私に話してくれるのよね? でも私ってそんなに短気に見えるの? まあいいわ、今は話を聞くのが先よ。私は無言で頷いた。 「オレ、蘇生呪文習得したかもしれない」 ・・・蘇生呪文って、ザオラル? そんなのずっと前から使えてたわよね? でも今更、意味もなくそんなこと言うとは思えない。・・・ということは、違う呪文? 「まさか、ザオリク?」 自分で口に出しておいて、バカなこと言ったと思った。 だってザオリクって完全死者蘇生呪文よ? 何百年も前、それこそ賢者の時代には使える人もいたって書いてある本はあるけど、半分おとぎ話のようなもので、そんな呪文が本当にあったなんて信じてる人、多分いないわ。 死んでしまった人が生き返ったりするはずないじゃない。そんな魔法が本当にあるなら、誰も大切な人を失って悲しい思いすることも無いのに・・・。 「さすがゼシカ、知ってたか。話が早くて助かった」 なのに、ククールはあっさりと私の言葉を肯定した。 私は今の話をどう受け取っていいのか、わからない。 「・・・やっぱり、信じられないか?」 困ったような、寂しそうなククールの声。 私は慌てて首を横に振る。 「信じるわよ、決まってるじゃない」 ククールは涼しい顔して嘘つくし、軽口ばっかり叩いてるけど、こんなことで嘘や冗談は言わない。 命が失われる痛みは、誰よりもよく知っている人だから。 だったら、どんなに信じられない話でも、信じるしかないわ。 不意に手をとられた。あんまりスムーズな動きなんで、何をするつもりなのか疑問に思う 間もなく、顔の位置まで上げられる。 そしてククールの唇が、私の手の甲へと当てられた。 一気にその部分に全神経が集中する。身体が固まってしまう。 「ありがとな、ゼシカ」 その声も瞳も穏やかで、下心なんて微塵も感じさせない。 ククールは、ただ感謝の意を示しただけなのよね。やり方がキザってだけで。 暗くて良かった。きっと私、赤くなっちゃってると思う。この程度のことで動揺してるのには気づかれたくないわ。 「で、ここからが困ったとこなんだけど、どうやら、その呪文は使えないらしい。唱えられないんだ」 話が続いてるんだけど、手をとられたままなことが気になって集中して聞けない。 こんなことじゃダメだわ。自分から話してって言っておいて失礼よ。 「唱えられないって、使ってみたことないの?」 確かに新しい呪文が使えるようになった時って感覚でわかるけど、大抵の場合は覚えた魔法は使ってみて、威力や効果を確かめてみる。 ああ、でも死者蘇生呪文ともなると、そう簡単に試してみるなんて出来ないわよね。他の呪文なら実験台になってあげてもいいけど、ザオリクの場合は死なないといけないから、ちょっと無理だわ。 ククールを信じないわけじゃないけど、ザオリクが伝えられてるような完全な蘇生呪文じゃなかったら困るもの。 「もちろん使ってみようとしたさ。でも出来なかった。さっき唱えられないって言ったけど、そういうレベルじゃないんだ。その言葉自体、口に出せない。呪文として唱えようとせずに普通に言おうとしても、喉にひっかかって声にならないんだ」 ・・・言葉の意味がわからない。 私だって当然ザオリクなんて使えないけど、声に出すくらいは出来る。 「それさえ無ければ、自分の願望から、ありもしない呪文を覚えたような思い込みに囚われたんだって解釈で済むんだが、声にも出せないなんて不可解すぎるんだよな。そんな話、聞いたことないしな」 私も聞いたことないわ。魔法に関する本はそれなりに読んできたつもりだけど、似た話すら見たことがない。 「そのくせ、何か魔法を使おうとすると、頭の中でその言葉が鳴り響きやがる。オレの使う呪文は博打性の強いのが多いから、呪文を唱える時に集中できないのは迷惑以外の何ものでもない。 初めは何か耳鳴りがする位にしか思ってなかったけど、段々頭の中の声がでかくなってきやがった。特にザオラル使う時なんて最低だな。ついうっかりザオ・・・」 ククールが顔をしかめる。さっき言ってたように言葉が喉につかえたみたい。 「・・・一応は、あてにならない呪文に頼って、使えない魔法を覚えたと思い込むほど落ちぶれちゃいないつもりだから、何かあるとは思うんだが、それが何かはわからない。ホント、ムカつくんだよな」 軽い調子で話してるけど、明らかにイライラしてるのがわかる。 それなのに私、つい思ったことを口に出してしまった。 「ククールって、賢者みたいよね」 ククールは面食らった顔して私を見る。 どうして私って、こうなんだろう。思った次の瞬間には、もう言葉にしてるのよ。 「だって普通、僧侶がルーラやマホカンタ覚えたりしないじゃない。その上、ザオリクでしょう? だから、ちょっとそう思っちゃったのよ」 慌てて言い訳めいたことを言ってしまう。 「確かに修道院でもルーラ使いは変わり種とは言われてたけど、オディロ院長だって使えてたぜ? 僧侶だからって絶対使えないってもんじゃねえんだろ」 「だって、オディロ院長は賢者の末裔じゃないの」 ・・・何だろう、今の言葉。自分で言ったことなのに、何かとても重要なことのような気がする。ククールも同じように感じたみたい。黙り込んで何か考えている。 でもククールはその考えを振り払うように頭を振って、いつもの調子に戻った。 「まあ、あれだ。オレが言いたかったのは、その言葉のせいで呪文を唱える時の集中力が落ちてるってことだ。だから回復のタイミングが遅れたりして、皆を危険に晒すかもしれない。 一応真面目にやってはいるんだが、そのことを踏まえてオレのことはあんまり当てにしないでほしい。 ほんとはもっと早く話しておくべきだったんだろうけど、例の言葉を使わずにどうやって説明するか考えてて遅くなった。悪かったよ。ゼシカが博識で助かった。エイトたちに話す時にも補足してくれると助かる」 ・・・ククールは本当に強い・・・。もっと早く話すべきだったって言葉は、それなりの時間、一人で抱え込んでたって意味になる。なのに全然気づかせてくれなかった。気づけなかった私が未熟だっただけかもしれないんだけど・・・。 それに、私なんてついさっきまで、ククールが私をあてにしてくれないことにスネてたのに、こんなにあっさりと『自分をあてにするな』なんて言い切っちゃう。誰に何と思われても揺るがない自分を持ってる人なんだ。 「私に、何か出来ることある?」 ククールが私にしてくれたようには出来ないかもしれない。でも、どんな小さなことでもいい。力になりたい。 再び手を持ち上げられて口づけられた。今度は指先。またまた私は硬直してしまう。 どうしてこの人、こんなこと恥ずかしげもなく出来るの? それとも意識しちゃう私がおかしいの? 「そうだな、ゼシカには楽しいこと考えててほしい」 ククールの言葉は意外すぎて、咄嗟に意味がわからなかった。 「身近な人間がイライラしてると、つられて不安になったりするだろ? オレの苛立ちがゼシカを巻き込んでたことは何となく気づいてた。 だから今度はゼシカが楽しい気分をオレに分けてほしい。杖を封印した後、何をするかとかがいいかな。キツい戦いの後の楽しみは必要だろ?」 ・・・ドルマゲスとの戦いの前、ククールは私に何度も言ってくれていた。敵討ちが終わった後のことを考えろって。あの時はその言葉の意味を考えなかった。だからドルマゲスを倒しても虚しさしか残らなくて。そして、そこを暗黒神に付け込まれた。 「うん、考えてみる」 また同じことを繰り返すわけにはいかない。せっかくの忠告、今度こそ無駄にしないわ。 「・・・今日は有意義だったな。何事も考えてないで実行してみるもんだ」 ククールの声から苛立った感じが消えている。話してみたことで、少しでも気が楽になってくれてると嬉しいんだけど。 「真面目な顔さえしてれば、ゼシカは結構ガードがユルいこともわかったし」 ・・・? 「さすがに二度目は『調子に乗るな!』って怒鳴られると思ったのに、振り払おうともしないんだもんな」 そして、三度目のキスが手の甲に贈られた。 私はやっと、からかわれてたんだって気づいた。深刻な話の最中に随分な余裕じゃないの! 「離してよ、バカ!」 私はククールの手を振り払う。ククールはいかにも可笑しそうに笑ってる。 まったく! どこまで本気で、どこまで冗談なのかサッパリわかんないわ。 ・・・でもいい、このくらいなら。真剣な話の後ほど、こうやって軽口でごまかそうとするんだって、知ってるんだから。いつまでも、その手にはのらないわよ。 それにちょっと考えたの。戦いが終わった後の楽しいこと。 いろんな所を旅してきたけど、戦うことに精一杯で、ゆっくり町を歩いたり、キレイな景色を眺めたりなんて、ほとんど出来なかった。 だから皆でゆっくりと世界を回りたい。 船に乗って地図にない島を探したりするの。そう思うと本当に楽しい気持ちになってきた。 ・・・さっきのことは許してあげるから、その時にはククールも一緒に来てね。 そうしたら、どんな辛い戦いでも、私きっと勝てる気がする。 <終> 強さ-前編
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「ミィ……ミィ……」 とある草むら。 1匹のタブンネがトレーナーの足にすがりついて弱々しい鳴き声を上げている。 タブンネの全身は傷だらけで、自分で立ち上がるだけの力さえも残されていなかった。 タブンネをそんな状態にしたのは、トレーナーとそのパートナーであるポケモン。 草むらから飛び出してきた野生のポケモンを倒した。ただそれだけのこと。 出てきたポケモンがタブンネだっただけで、一般的なトレーナーであれば普通の行動だ。 しかし、それはタブンネにとっては衝撃的なことだった。 一方的に叩きのめされた。草むらで生活しているときにはありえなかったこと。 その強さにタブンネは憧れた。 自分をボロボロにした相手。そんな相手についていけば、自分も同じくらい強くなれるのではないか。 強くなって群れを率いれば、縄張り争いや餌場の競争に有利になり、タブンネたちの生活が豊かになるのではないか。 自分のため。タブンネたちのため。 そのために強くなりたいと、タブンネはトレーナーの足に必死にすがりつく。 強くなりたいです。いっしょに連れて行ってください、と。 「俺のポケモンになりたいのか?」 そんな想いを読み取ったのか、トレーナーがタブンネに訊いてくる。 タブンネはコクコクとうなずく。「ミィミィ」と声を絞り出しながら残った力すべてでトレーナーの足をギュッとつかむ。 「よし、いいだろう。それじゃあ名前をつけてやらないとな。そうだな……お前の名前は今日から『くずにく』だ。 わかったか『くずにく』? わかったら返事しろ『くずにく』」 くずにく。 その言葉の持つ意味はタブンネにはわからない。 ただ、それが自分に与えられた名前であり、目の前のトレーナーたちの仲間になる証だということは理解できた。 自分の願いがかなったことにタブンネは笑顔を浮かべ「ミィ……♪」と返事をする。 タブンネの返事を聞くと、トレーナーはニヤニヤと笑いながらバッグからモンスターボールを取り出す。 そしてモンスターボールをタブンネにあてると、タブンネの体がモンスターボールの中に入っていく。 これでタブンネはトレーナーのポケモンになることができた。……いや、トレーナーのポケモンになってしまった。 この瞬間に、タブンネが幸福になれないことが決まってしまった。 「ここんとこ負け続きでイライラしててさぁ、ストレス解消できるおもちゃが欲しかったんだよねぇ。 これからよろしく『くずにく』ちゃん」 すとれす。おもちゃ。 その言葉の意味もタブンネにはわからない。 わからない言葉の意味を考えることはせずに、タブンネはゆっくりと目を閉じる。 モンスターボールの中でしっかりと休んで、ボロボロの体を回復させるために。 やがて、訪れた眠気によってタブンネの意識は深く沈んでいく。 ぼんやりとしていく頭の中でタブンネは思う。 強くなりたいな。 (おわり) 屑肉タブンネワロタ -- (ジェノサイドたぶんね) 2018-05-03 23 36 54 名前 コメント すべてのコメントを見る